30 1 / 2012
転びまくりながら、やっとここまできた
今日の航海日誌は、仲がお送りします。
新年からずっと、今日この日のことだけを考えてきました。
ウォンテッド、とうとう本日公式リリースとなります。
ウォンテッドが構想段階まで公式リリースとなるまで、約1年間かかりました。
今日は、これまでの歩みを振り返ってみたいと思います。
ひょんなキッカケから生まれたウォンテッド
それは2011年の年の初め、まだ季節は冬でした。
震災が起こる前です。
Facebookから独立したての私は、自分のサービスを作らなければ、と焦る一方で、
有難いことに、どんどん入ってくるFacebook関連のマーケティング支援の
お仕事を断れず、コンサルティングのようなことをしていました。
稼ぎは凄くよかったのですが、「ビジネスモデルをしっかり作らないと!」
という多くの先輩の助言に従い、泣く泣くマーケティングの仕事は全て断ることにしました。
そしてすぐ、ウォンテッドの原型となる「リアQ」というサービスを考えます。
リアQ、それはソーシャルを活かした、友達に質問できるサービス。

人のつながりを使ってできる便利なことはなんだろう。。と考えて生まれたサービスでした。
「仲のいい信頼できる人に、オススメのお店、人、ものを教えて貰える」
そういうコンセプトの元、私がデザインを担当し、友達が寝る間を惜しんで
コーディングしてくれたプロトタイプが誕生しました。
反応は凄く悪かった
しかしα版として友達内に公開したところ、質問できる内容が幅広すぎるという
指摘を受けました。人、モノ、お店、どれかに絞った方がいいよ!ということでした。
そこでどれに絞ろうか考えたのですが、直感的に「人だ!」と思いました。
例えば、「うちの妹がカテキョ探してるんだけど、誰かいい人いない?」と
友達に聞くと、自分にあったぴったりの人を紹介して貰える、
人探しのサービスへと進化することになりました。
イモヅルのように人のつながりを伝って目当ての人が見つかるということで、
名前も「イモヅル」でした。今思うと微妙なネーミングです。

ぶつかる壁
こんな風に、一度作ってみたプロダクトの軸はそのまま、
少しだけ方向性をずらして進化させることを「ピボット」といいます。
けれど、ピボットにはそれに伴う開発力が必要です。
フィードバックを受けながら、それをどんどんプロダクトに落としていかなければならない。
とはいえ、α版作りを手伝ってくれたエンジニアの友達は平日は仕事があるし
中々すぐには進まないし、そこまで無理はいえない。
自分で作ってしまえば早いのではないか、そう考えたことも
多々ありましたが、そんな簡単なものではありません。
考えても、アイディアがあっても作れない、八方塞がりでした。
サービス作りが進まない中、違うプロジェクトをお手伝いしたりして、
煮え切らない日々が続きました。
そんな中、転機が訪れます。
気管支炎になる、自宅待機
2011年の夏の始めの6月頃、風邪をこじらせて声が出なくなりました。
声が完全に出なくなって、人に会うとすぐに悪化する。
だから、完全に喉の調子がよくなるまで家に居る必要がありました。
身体はピンピンしているのに、声が出ないから誰にも会えない。
喉の調子は相当悪く、2週間ぐらいは誰にも会えない、そう覚悟していました。
凄く忙しかった日々に、ぽっかりと時間ができました。
家の近くの本屋をぶらぶらしているとき、この本を見つけました。
この本が、私の運命を変えました。
多分、気管支炎とこの本がなければ、今のウォンテッドはなかったといえます。

私は実はこれまでに何度かコーディングに挑戦したことがありました。
フロントエンドやデザインはできたものの、バックエンドとなるとお手上げ。
CGIの掲示板を組み立てたことなどはありましたが、過去に何度か挑戦したphp、java
やrailsも途中で挫折したことが10回ぐらいありました。
しかしこの本に出会ったとき、過去に挫折したRails2.0がRails3.0にバージョンアップ
していました。どうせやることもないし、そう思って本を購入し、
家に帰って少しずつ読みながらプロダクトを作ってみると、
意外にも少しずつですが、作ることができました。
死ぬ気で作り上げたプロトタイプ
会員登録機能やFacebook認証、プロジェクト作成機能、一歩一歩、自分が作りたいと
思うものを、本やオンラインのリソースを頼りに作っていきました。
今振り返ると、6月の私は無我夢中でした。なんだか、物凄い危機感がありました。
ここで何も創り上げられなければ、もう終わりなんじゃないか、そんな思いで、
ともかくも起きている時間はずっとコーディングをしていました。
オンラインのリソースは大変便利で、stack overflowや rails cast、海外の教育機関の
授業のリソースを見ながらどんどん作り上げていきました。
気がつけばプロトタイプらしきものが完成して、
私はベンチャー界隈の友達に見せて周り、さらにブラッシュアップを重ねていきました。
気がつけば最初は「人のつながりで人を探す」というジャスト・アイディアだったものが、
より具体的に「一緒に何かをする仲間探し」というコンセプトに落としこまれていきました。
人からのフィードバックを得る中、名前は「イモヅル」から「ウォンテッド」に変わりました。

めぐってきたチャンス
夏も終わりに近づく頃、ひょんなきっかけでTech Crunchの西田さんに
イベントに呼んでいただきました。
イベントの新規プロジェクト発表の場で、飛び込みでウォンテッドのプレゼンをさせて
いただきました。その後、元金融出身でコーディングができなかった女子が1人で
プロダクトを作ったという事実が面白いと、西田さんから取材のお願いの連絡を頂きました。
私はサービスのバグ直しに奔走し、9月の頭、とうとう記事が掲載されました。
反響は物凄いものでした。
実はウォンテッド自体、Tech Crunchに掲載される数日前からバズを生んでいました。
それはおそらく、まだ少なかった「Facebookログイン」サービスの先駆けで、かつ登録時に
ウォールに流れたフィードが上手いこと人の目に触れたからだと思います。
1日1000人以上の数でユーザが増えていきました。
さらにTech Crunchの記事でトラフィックは盛り上がり、
リリース2週間で会員は1万人を超えました。
多くの方に様々な「ウォンテッド」をご投稿いただき、そこで新たな出会いが生まれ、
凄く嬉しかったのを覚えています。
一時凍結の決断
しかし一方で、本来は「頑張っているチームが、そのチームの新しい仲間を募集する」
ためのサービスだと思っていたものが、想定外の利用のされ方も目立ち始め、
自分のサービス・コンセプトの弱さを感じました。
色々な人たちの意見を聞き過ぎた結果、何がしたいのか分からないサービスになっていたのです。
「一緒に働く仲間を募集する」のか、「飲み友」を募集するのか。
もちろん両方できても問題ないのですが、あれもこれもできるということは、
何もできないことを意味します。
シンプルに、絞っていかなければならない。
コンセプトが曖昧のままのサービスが長く続く気はしない、そう考えて、
10月頭に一度ウォンテッドを凍結することにしました。
そぎ落とす、フォーカスする
私がFacebook Japan在籍中に体感したのは、ソーシャルの力の破壊力でした。
どんなに予算をかけた企業のマーケティングもあっという間に飛び越えてしまう「口コミ」の力。
ソーシャル・メディアの発達は、「誰でもマーケター」の世界を実現したので、
その商品が宣伝やPRにお金をかけていなくても、
いいものさえ作り続けていれば、自然と広まる。
けれどもそれが、「しごと」の領域では起こっていない。
もっと企業の衣を剥いで、中にいる人の顔が見えたら、無名の会社だってそのチームに
ぴったりの優秀な人を呼べるし、逆に求職者だって、会社が有名かどうかに関係なく、
自分の働くチームを選べる、そういう問題意識に、ウォンテッドがつながり始めました。
ウォンテッドのコンセプトが、明確化し始めました。
ヌードになる
もう、大手の求人サイトの担当者に自社の求人記事を書いて貰い、その場限りの
楽しそうな求人記事で求職者を呼び寄せる、そういう時代は終わったのだと思っています。
そうではなくて、本当に自分たちが何を想いどんなふうに情熱を持って仕事をしているのか、
それを真摯に包み隠さず外に見せていくことで、「いい組織」というのは
口コミで広がり、薦められるべき人たちに届く。ヌードの時代。

ウォンテッドを通じて世の中の会社がみんなヌードになって、
どれだけ会社名の宣伝にお金をかけているかではなくて、
その中身で勝負できる時代になって欲しい。
そして、ぴたっと合う人達が最高のタイミングで同じチームとして結束することで、
これまでにない生産性が生まれる。はたらく仲間もハッピーになる。
そんな、削り出されたコンセプトをひっさげて、ウォンテッドは
「一緒に働く仲間探し」にフォーカスしたものに進化していきました。
手応え
そして迎えた12月中旬のステルス・ローンチ。実験段階でもあり、まだ完全招待制でした。
私たちは、「人のつながりで仲間を探す」という、まだどこにもないモデルを模索する中で、
その方法論を、幾つかの凄く先進的なパートナー企業の皆様と模索させていただきました。
メディアは一切使わず、自分たちだけのソーシャルメディアでの拡散を通し、どれだけの
応募がありマッチングがあるのか。
結果は思った以上に手応えがあるもので、実際に掲載した会社で人が見つかり始めました。
http://wantedly.com/about/story
今日から、はじまる
今回12月からためたノウハウを元に、必要な機能追加をし、無駄な機能を削ぎ落とし、
本日、ウォンテッドは完全オープンなサービスになります。
社員との食事や、勉強会、ハッカソンなどちょっとしたプロジェクトに参加することで、
世の中に沢山あるまだ見ぬ素晴らしいチーム、もしかしたら自分が近い未来に一緒に
はたらくことになるかもしれないチームに出会える、そういうサービスです。

「人のつながり」が前提のサービスであることは変わらないので、プロジェクトを実施する
会社の社員のFacebook上の友達の友達までがプロジェクトに応募可能になります。
僕たちの進化
毎週毎週、失敗して方向修正して、吸収して、私自身、
1月だけでも1年分ぐらいの経験をした気がしています。
まだまだ始まったばかりですが、ここまで到達する上でも、数え切れない数の
方々に支えられてきました。
私が周りの起業家の先輩方、デザイナーの先輩方に薦めていただき、年末に読んで、
今回の公式リリースに向けて大変参考になった本は以下です。
誰のためのデザイン?
これまで、デザインの表面をかすったような浅い本ばかり読んで、
テクニックだけ知って分かったつもりになっていたのですが、
この本を読んでサービスのUXやUI作りが本質的に理解できました。
The Lean Startup
サービス作りにおいて、「仮説→実行→計測→修正」サイクルの重要性を教えてくれた本です。
当たり前のことのようで、はっとすることが多く、
フレームワークをチーム内で共有するのに大変役立ちました。
これからのウォンテッドは
ウォンテッドの航海はまだまだ始まったばかりです。
今日は、是非ともこの公式リリースをきっかけにウォンテッドをお試しください。
「人々がパフォーマンスを最大化できるチームに移動できるよう、
一時的/局所的ではなく、構造的に世の中を変える。」
これからも進化し続けるウォンテッドを、引き続き宜しくお願い致します。
また、2月11日に向けて、人事の方の勉強会
「ITmedia人事浦野氏クックパッド採用鷲見氏と初対談!参加者ウォンテッド」
を企画しています。ご興味ある方は、是非ご応募ください。
2012年1月30日
仲暁子
超最高で最強のチーム・ウォンテッド
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